チェルシーの背番号「10」歴代選手まとめ

1928年のイングランドリーグ、アーセナル対チェルシー戦でサッカー史上初めて背番号をつけたユニフォームで試合が行われました。
1933年にFAカップ決勝で久しぶりに背番号付きユニフォームが使用され、以降FAカップでは背番号制度が確立しました。
1939年にはイングランドリーグでも背番号制度が導入されましたが、当時は1番から11番をポジションに応じて着用するものでした。

1993-94シーズンにプレミアリーグが設立された際に、現在の固定番号制が採用されました

背番号には歴史があり、ファンの記憶に残り続けるものです。
この記事では、ロンドンのビッグクラブであるChelseaの背番号「10」を歴代背負ってきた選手たちをご紹介します

なお、背番号8の歴代選手についてはこちらの記事で紹介しています。

目次

背番号10の歴代選手

Chelseaで背番号10を背負ってきた歴代選手を紹介します。

Gavin Peacock (1993-1996)

Gavin Peacock(ギャビン・ピーコック)は、Chelseaで初めて背番号10を正式に着用した選手です。
1967年11月18日生まれの攻撃的ミッドフィルダーです。

1993/94シーズンには、FAカップで6ゴールを挙げてチームを24年ぶりの決勝に導きました。

1996年2月4日、チェルシーがミドルスブラ相手に5-0で勝利、プレミアリーグ50勝目となったこの試合で、Gavin Peacockはハットトリックを達成しました。
これはチームとしては6年ぶりのハットトリックで、プレミアリーグ設立以降、Chelseaで初めてハットトリックを達成した選手となりました。

Mark Hughes (1996-1998)

Mark Hughes(マーク・ヒューズ)は、1963年11月1日生まれのFWで、ウェールズのレクサム出身です。
1995年に、マンチェスターユナイテッドからChelseaに移籍しました。
ChelseaはMark Hughesが少年期からファンだったチームで、念願の移籍となりました
入団当時は8番を背負い、Gavin Peacock(ギャビン・ピーコック)が退団した後に10番を背負いました。

ChelseaのレジェンドであるGianfranco Zola(ジャンフランコ・ゾラ)と絶妙なコンビネーションを見せました。
1997年にはFAカップを27年ぶりに優勝、1998年にはUEFAカップウイナーズカップ優勝に貢献しました。
1995年から1998年までChelseaに在籍し、95試合出場、25得点でした
その後はサウサンプトン、エヴァートン、ブラックバーンと移籍し、2002年38歳で現役を引退しました。

ウェールズ代表としても活躍したHughesは、1999年からウェールズ代表監督と選手を兼任しています
2002年に選手を引退後も、引き続き代表監督を務めました。
その後はブラックバーン、マンチェスターシティ、フラム、QPR、ストーク、サウサンプトンで監督を務めてきました。
2018年にサウサンプトンの監督を解任されてからは現場を退いていましたが、2022年からイングランド4部のブラッドフォードシティで監督を務めています。

Pierluigi Casiraghi (1998-2000)

Pierluigi Casiraghi(ピエルルイジ・カシラギ)は1963年3月4日生まれのFWで、イタリアのモンツァ出身です。
選手兼任監督であるGianluca Vialliが獲得を熱望し、1998-99年シーズンにラツィオから移籍。

しかし、ウェストハム戦で相手GKと激突し、靭帯を損傷。
手術を数度行うも回復しなかったことから、2000年に解雇され、31歳で現役を引退しました。
Chelseaでの出場はわずか10試合、1ゴールに終わりました。

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Slaviša Jokanović (2000-2002)

Slaviša Jokanović(スラヴィシャ・ヨカノヴィッチ)は、1968年8月16日生まれのボランチで、セルビアのノヴィ・サド出身です。
2000年にスペインのデポルティーボ・ラ・コルーニャから移籍。
ユーゴスラビア代表として64試合10ゴールと活躍したJokanovićですが、Chelseaには2シーズン在籍し、39試合の出場に終わりました。

Joseph John “Joe” Cole (2003-2010)

Joseph John “Joe” Cole(ジョゼフ・ジョン・ジョー・コール)は、1981年11月8日生まれの攻撃的なポジションをこなす選手で、イングランドのウェストミンスター・パディントン出身です。
ウェストハムユナイテッドの下部組織出身で、キャプテンを務めていましたが、2002-03シーズン自身のケガもありチームは2部に降格。
フル代表定着を目指し、翌シーズンに660万ポンドでChelseaへ移籍しました。

アブラモヴィッチ体制初年度の注目選手として、初年度から背番号10を背負いました。
2シーズン目の2004-05シーズンにはJosé Mourinhoが監督に就任。
シーズン当初はサブだったものの、左ウィングのロッベンがケガにより離脱したことに伴い、Joe Coleを右ウィングで起用しました。

Chelseaでは2003年から2010年まで在籍し、最も長く10番を背負った選手です
在籍中にプレミアリーグを3回、FAカップを3回、リーグカップを2回制しました。

2007-08シーズンには通算55試合出場、10ゴールを記録し、クラブの年間最優秀選手となりました
在籍期間中、通算282試合出場、39ゴールを記録しました。
イングランド代表としても56試合出場10ゴール。2002年、2006年、2010年のワールドカップに出場しました

Chelsea退団後はリヴァプールなどイングランドのクラブを渡り歩き、アメリカ2部のクラブで2018年に引退。
同年にアカデミーコーチとしてChelseaに復帰。2019-20シーズンはアカデミー監督を務めました。

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Yossi Benayoun (2010-2011)

Yossi Benayoun(ヨッシ・ベナユン)は、 1980年5月5日生まれの攻撃的MFで、イスラエルのディモナ出身です。
2010年7月、契約満了により退団してリヴァプールに加入したJoe Coleと入れ替わる形で、リヴァプールから550万ユーロで移籍加入。
背番号10をそのまま引き継ぐなど期待されましたが、ケガに苦しみ、1年目は10試合の出場にとどまり1ゴール。
2年目はアーセナルへ、3年目はウェストハムへローン移籍したため、背番号10は次の選手へ引き継がれました。
2013年6月、契約満了によりChelseaを退団しました。

Juan Mata (2011-2014)

最近Jリーグのヴィッセル神戸に加入したJuan Mata(ファン・マタ)も、かつてはChelseaで活躍した選手です。
1988年4月28日生まれのMFで、スペインのカスティーリャ・イ・レオン州ブルゴス出身です。

レアルマドリードの下部組織に移り、レアルマドリードBで出場していましたが、契約延長せずにバレンシアに移籍。
バレンシアで通算174試合46ゴールと活躍しました。

2011年8月にChelseaへ完全移籍。背番号はバレンシア時代と同じ10番を着用しました。
2011-12シーズン、UEFAチャンピオンズリーグ決勝で、Drogbaの同点ゴールをアシスト!優勝に貢献しました。更にプレミアリーグでは14アシストを記録し、アシストランキングで2位にランクインしました。
2012-13シーズンは、プレミアリーグで12ゴール12アシスト、アシストランキングでトップに立ちました。年間では35アシストを記録し、UEFAヨーロッパリーグ優勝に貢献しました
2013-14シーズンは、José Mourinhoが監督に復帰。スタメンから外れることも多くなり、2014年ワールドカップを考慮し、移籍を検討します。

2014年1月、マンチェスターユナイテッドがクラブ史上最高額となる4,470万ユーロの移籍金でMataを獲得しました。
マンチェスターユナイテッドでは2022年まで在籍し、196試合に出場しました。
その後はガラタサライでのキャリアを経て、2023年9月、ヴィッセル神戸への加入が発表されました。

フル代表では41試合に出場しており、2010年と2014年のワールドカップに出場しました。

Eden Hazard (2014-2019)

ChelseaのスーパースターであるEden Hazard(エデン・アザール)は、Chelseaで最も活躍した10番と言っても過言ではありません。
1991年1月7日生まれのウィングで、ベルギーのラ・ルヴィエール出身です。
14歳の時にベルギーから移り、フランスのリールの下部組織に入団します。

2007年11月、16歳でリーグアンデビュー。2010-11シーズンと、2011-12シーズンに2年連続でリーグMVPに選出されました。
2012年6月、マンチェスターユナイテッド、マンチェスターシティ、トッテナムなどのビッグクラブへの移籍が噂される中、自身のSNSで、「欧州チャンピオンズリーグ王者と契約する」と公表。
Chelseaはアザールのユース時代からスカウトを送り続けており、念願の獲得となりました。
移籍金は3,200万ポンドで、当時は背番号17をつけていましたが、Mata退団後の2014-15シーズンから10番を背負いました。

2012-13シーズン、開幕戦から3試合連続でMOMに選出。年間で62試合出場、13ゴール。クラブはUEFAヨーロッパリーグタイトルを獲得。1年目ながらPFA年間ベストイレブンに選ばれました。
2013-14シーズン、クラブとしては久しぶりの無冠となりましたが、個人としては49試合17ゴール。PFA年間ベストイレブンとともに、PFA年間最優秀若手選手賞を受賞しました。
2014-15シーズン、背番号が10に変わります。リーグ戦で37試合14ゴール8アシスト、クラブは5年ぶりにリーグ優勝を果たしました。またEFLリーグカップを優勝。年間では52試合10ゴール。プレミアリーグ年間最優秀選手賞、PFA年間最優秀選手賞、FWA年間最優秀選手賞を獲得しました。
2015-16シーズン、年間で43試合に出場するもわずか6ゴールに終わり、チームも二桁順位に終わりました。5月2日のトッテナム戦では83分に同点ゴールを決めて、トッテナムの初優勝を阻止しました。
2016-17シーズン、年間43試合で17ゴール。Chelseaは2年ぶりにリーグ優勝を果たし、個人としてもPFA年間ベストイレブンに選ばれました。
2017-18シーズン、年間51試合で17ゴール。チームはFAカップで優勝を果たしました。
2018-19シーズン、年間52試合で21ゴール。UEFAヨーロッパリーグ決勝でアーセナル相手に2ゴール1アシストと大活躍。4-1と快勝し、タイトルをもたらしました。リーグ戦の16ゴールはチーム最多、15アシストはリーグ最多でプレミアリーグプレイメーカー賞を受賞しました。ドリブル突破成功率は61.61%で欧州5大リーグトップでしたクラブ内の年間最優秀選手賞受賞は4度目で、これは史上最多です

2019年6月、ファンを公言していたレアル・マドリードへ完全移籍しました。移籍金は公表されていませんが、1億ユーロと2000万ユーロのボーナスと報道されました。
チェルシーでの通算記録は、352試合で110ゴール85アシストと圧倒的な記録を残しました

2023年10月10日、引退することを発表しました。

2008年11月、17歳でベルギー代表デビューを果たしました。
通算126試合に出場し、33ゴール。2014年、2018年、2022年ワールドカップに出場しました。

Willian (2019-2020)

Willian(ウィリアン)は、1988年8月9日生まれのウィングで、ブラジル・サンパウロ州のリベイラン・ピレス出身です。
コリンチャンスの下部組織出身で、コリンチャンス、シャフタール・ドネツクで活躍。
ロシアのアンジ・マハチカラを経由し、2013年8月Chelseaに3,000万ポンドで完全移籍しました。
加入当時は背番号22で、2019年にEden Hazardが退団後に背番号10を引き継ぎました。

1年目の2013-14シーズンから年間42試合に出場し、4ゴールをあげました。
2014-15シーズンは年間49試合に出場し、4ゴール。EFLカップ準決勝のリヴァプール戦で、延長前半にフリーキックからIvanovićの決勝ゴールをアシスト。決勝戦もスタメン出場し、EFLカップ優勝に貢献したほか、リーグタイトルも獲得しました。
2015-16シーズンは年間49試合に出場し、11ゴール。このうち6ゴールは直接フリーキックによるもので、このシーズン、欧州で最も直接フリーキックによりゴールをあげた選手になりました。チャンピオンズリーググループリーグのベストイレブンに選ばれたほか、Chelseaのクラブ内最優秀選手に選ばれました。
2016-17シーズンは年間41試合に出場し、12ゴール。FAカップ準決勝のトッテナム戦で2ゴールをあげ、決勝進出に貢献したほか、チームはリーグ優勝も果たしました
2017-18シーズン、年間55試合に出場し、13ゴール。Chelseaでの公式戦200試合出場を達成しました。チームのFAカップ優勝にも貢献しました。
2018-19シーズン、年間56試合に出場し、8ゴール。チームはUEFAヨーロッパリーグを優勝しました。
2019-20シーズン、年間47試合に出場し、11ゴール。背番号を10に変更して挑んだシーズンでした。チームの補強禁止処分により若手主体で臨んだシーズンを奮闘し、チームのチャンピオンズリーグ圏内の4位に導きました

長期契約を望むWillianと、単年契約を望むクラブ側で折り合わず、契約延長交渉が不調に終わったことから、2020年8月にアーセナルへフリー移籍しました。
その後はコリンチャンスへ復帰し、再びプレミアリーグのフラムでプレーしています。

ブラジル代表としては70試合に出場し、9ゴール。
2014年、2018年のワールドカップに出場しており、2019年のコパ・アメリカでは背番号10を背負い、優勝に貢献しました。

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Christian Pulisic (2020-2023)

Christian Pulisic(クリスチャン・プリシッチ)は、1998年9月18日のウィングで、アメリカのペンシルベニア州ハーシー出身です。
2015年にドルトムントの下部組織に移り、トップ昇格。ドルトムントでは、通算127試合19ゴールをあげました。

2019年1月にChelseaに完全移籍。
シーズン終了まではドルトムントにローン移籍で残り、2019-20シーズンからChelseaに加入しました。
Willianの背番号が22番から10番に変わったことで、Pulisicは22番を引き継ぎました。

2019-20シーズンは同じポジションのHazardの移籍があったことや、チームが補強禁止処分中であったこともあり、既に冬に移籍合意していたPulisicは、唯一の新加入選手でした。ファンの期待も大きかったもののベンチスタートが続き、早くも10月には冬の放出候補と報道されたこともありました。しかし10月のバーンリー戦では移籍後初ゴールを達成し、その試合でハットトリックを達成。21歳38日でのハットトリックは、クラブ史上最年少のものでした。FAカップ決勝ではアーセナル相手に先制ゴールを決めたものの、負傷交代し、チームも敗れています。

2020-21シーズンは、背番号10をWillianから引き継ぎました。2021年4月28日、UCL準決勝セカンドレグでレアルマドリード相手にゴールを決め、決勝進出に貢献しました。5月30日の決勝戦にも出場し、優勝しました。アメリカ人としては史上初のUEFAチャンピオンズリーグ出場で、優勝も経験することとなりました
2021-22シーズンは、年間で38試合出場8ゴールでした。2022年2月のカラバオカップ決勝のリヴァプール戦でChelseaでの100試合出場を達成しますが、優勝することはできませんでした。
2022-23シーズンは、トゥヘル、ポッター、ランパードと3人の監督のもとでプレーしますが、ベンチを温める場面も多く、年間30試合に出場し、1ゴールに終わりました。

2023年7月、ACミランへの完全移籍が決まりました。移籍金は2,000万ユーロと報道されています。

アメリカフル代表として、60試合出場、25ゴールをあげています。2022年のカタールワールドカップでは、グループステージ最終節のイラン戦で自身の決勝点により、2大会ぶりの決勝トーナメント進出に導きました

Mykhailo Mudryk (2023-)

現在、10番を着用しているのがMykhailo Mudryk(ミハイロ・ムドリク)です。
2001年1月5日生まれのウィングで、ウクライナのクラスノフラド出身です。

下部組織を2度移り、ウクライナの名門シャフタールドネツクの下部組織から2018年にトップ昇格しました。
2021年5月に、現在はブライトンの監督を務めるDe Zerbiが監督に就任し、レギュラーに定着。
公式戦が中止になるまで11試合で2得点7アシストを記録。2022年にはウクライナの年間最優秀選手に選出されました。

2023年1月、アーセナルとの争奪戦を制し、ChelseaがMudrykを完全移籍で獲得。背番号は15でした。
移籍金は7,500万ユーロと出来高2,500万ユーロと報道されており、ウクライナサッカー史上最高額となっています。
同年1月21日のリヴァプール戦で途中出場を果たし、プレミアリーグデビュー。ドリブル突破によってビッグチャンスを作りましたが、得点にはつながりませんでした。
2月4日にはフラム戦で初のスタメン出場となりました。

2023年7月23日のプレシーズンマッチによるブライトン戦では、恩師De Zerbiの前で豪快なシュートを叩きこみ、公式戦ではありませんが、移籍後初ゴールとなりました
そして2023年8月、新シーズンの背番号が10に決まったことが発表されました。

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まとめ

Chelseaの背番号「10」を背負ってきた選手を紹介してきました。
ざっくりまとめると、次のとおりです。

まとめ
  • 最も長く背番号10を背負ったのは、Joe Cole!Chelseaで通算281試合に出場しました。
  • ChelseaのスーパースターEden Hazardも途中から10番を着用し、個人タイトルを総なめにしました。
  • 偉大な選手が着用してきた背番号10を2024年現在着用しているのはMudrykです。レジェンドの一人となれるか。

偉大なクラブで、偉大な選手たちが背負ってきた背番号10を着用することは、相当なプレッシャーだと思います
Mudryk(ムドリク)にはフロントや多くのサポーターが期待を寄せています。
Mudrykはまだ22歳で、プレミアリーグ2年目。
適用まで時間もかかると思うので、少しずつ出場時間を増やしながら、数多のレジェンドに肩を並べる存在になってほしいものです

London is Blue!!!

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